釣り人は底が知りたい!伊豆下田篇
にっぽん夢紀行 伊豆(下田編)
南伊豆下田市田牛荒神の石鯛釣り
荒神は下田市田牛と弓ヶ浜の間に突き出している磯でこの辺の地磯ではもっとも潮通しがよく以前は7キロクラスの石鯛やクエも釣れていた場所である。前下がりの磯で荒れた日には大きなウネリが襲ってくるので釣りには十分注意する必要がある。最近ではあまりいい釣果は聞かないが水深が7,8mあり、高い根が横に幾重にも走っているので底の起伏は激しい。
土砂降りの2枚
2003年8月15日は世間は盆休であったが、希にみる土砂降りの大雨だった。しかし、自宅にブクブクで活かしているヤドカリが30個ほど余っていたので消化しなくてはならない。一人だと城ヶ島でも行こうかと思っていたが釣友が同行してくれるという。そうであれば遠出でもしてみようかと二人で相談して荒神にでも行こうかということになった。ものすごい土砂降りの中、荒神へ行くと海はベタナギだが泥水が流れ込んで真っ茶色だった。遠くに見える青野川からも泥水の帯びが弓ヶ浜の海一面を茶色に染めていた。
こんなに真水がはいっていちゃ釣れないなと二人であきらめ半分、餌を消化するため打ち返していた。しばらくしてかなり後ろの方から雨宿りしながら竿を見ていると私の竿がお辞儀をした。慌てて竿に駆け寄ると竿はお辞儀したまま止まっている。竿を掴んであおってみるが根掛かりしているようである。糸を緩めてしばらく竿を持っていると魚が動き出したので、十分根から離れたと思った瞬間に大きくあおって魚をこちらに向かせ根から引き離した。後は引きを楽しみながら磯際に寄せて引き抜いた。53cm、2.7kgの銀ワサであった。その後、同じように後ろのほうで二人で竿を見ていると今度は釣友の竿がお辞儀をした。二人とも慌てて竿に駆け寄って、釣友が竿をあおったがやはり私の時と同じように根掛かりしている。釣友はまだ石鯛を釣ったことがなかったので私が先ほどやったことと同じようにやるようアドバイスすると魚は同じように走り出した。右に走ったり左に走ったりしたのでこれも石鯛だなと確信して磯際に寄せてもらって引き上げた。57cm、3.7kgの雌石鯛だった。初獲物が3kgクラスとは運がいいなと思った。
お昼頃になったので二人とも釣果に恵まれ意気揚揚と帰ろうとしたら、来るとき通ってきた白浜の道路が崖崩れで通行止めとなっている(後日崖崩れ場所を見たがかなりの高場で崖崩れの瞬間に遭遇していたらと思うとぞっとした。)。下田から渋滞が続いており、そこから一度修善寺に上り河津へと下りる大渋滞の道を通って自宅に着いたのは14時間後の深夜であった。それでもにこにこ顔の二人であった。石鯛釣りはボウズが当たりまえなので納得サイズが一匹でも釣れれば幸せである。