基本情報技術者
以前、車載用電子機器の開発に携わっていたとき、マイクロコンピュータを用いた組み込みプログラム作成の仕事をしたことがあったので、何か情報処理技術者の資格を取ってみたいなと漠然とは思っていたのだが、仕事が忙しいのを自分自身への言い訳に実行することはなかった。
仕事を辞め、次の就職先を探しているとき職安で技術職の募集要項を見ていると、プログラム関係の人員を募集している案件では「基本情報技術者」取得者を優遇している会社が結構あった。
この資格を取れば就職に有利になると思い、以前から取ってみたかった基本情報技術者を受けてみようと思った。
専門書などを扱っている大きな書店に情報処理技術者試験の受験案内のパンフレットがあったのでそれで申し込み方法を調べてインターネットで申し込んだ。当時は試験区分は8つでどの試験も5,100円であった。
次は受験対策である、失業中なので極力お金はかけられない。通信教育などもってのほかである。仕事や趣味で得たコンピュータの知識だけでどれくらい解答できるのかぶっつけ本番で試してみたい気持ちもあるのだがせっかく受ける以上なるべく解答できたほうがいいという気持ちもあり、中古書店で今はなきXメディア出版社のポケットブックの本を買い、朝起きて毎日一時間ほど二ヶ月ほど読み返して基本的な知識を入れることにした。
基本情報技術者試験の試験範囲を確認してみると、自身の知識がかなり偏っているのが分かった。大学や専門学校で基本的な情報処理の教育を受けていれば目にするだろうと思われる用語や知識を初めて目にしてあわてて覚えなければならなかった。
試験日は平成20年の4月20日(日)で試験会場は横浜国立大学だった。情報処理の資格受験者の平均年齢は若く、中でも基本情報技術者は入門者向けなので周りの受験生を見ると20台前半の若者が殆どで40過ぎのおじさんはかなり浮いていた。
午前2時間半、午後2時間半の試験で試験中はずっと考えて考えて答えをひねり出していたので試験が終わるとへとへとになり、個人的にはきつい試験だと思った。
本屋で参考書を探していたとき、「午前試験」対策などといった文言を良く目にしたのだが何のことかだか分からなかったのだが、受けているとき初めて午後問題はプログラムに関する試験だと分かってなんの準備もしていなかったので午後問題は全くのぶっつけ本番であった。自分一人で受験するときは良く調べて受験しなくてはならない。
さて手ごたえはどうかというと「だーめだこりゃ」という感じだったので後日解答が発表されても自己採点する気もなく受験したことも忘れていた。
受験後数週間経った頃、自宅にいるときに「ピンポーン」とチャイムがなった。誰だろう?と不審に思いながら玄関に行ってドアを開けてみると郵便配達人からA4サイズほどの封筒を渡された。
何だろう?と封筒の表を見ると情報処理試験センターとあり、赤字で「合格証書在中」とあるではないか。予想していなかった出来事にびっくりして嬉しかった。
中を確認してみると、賞状っぽいデザインの合格証書がはいっており、当時の経済産業大臣の甘利さんの名前が入っていた。
あきらかにまぐれ合格。勘が働いたかと思い、いったいどれぐらい取れたのだろうと自己採点してみると何と本当に合格ギリギリの午前問題正答率6割、午後問題正答率6割で冷や汗物だった。一問でも間違っていれば不合格であった。
今度はじっくり勉強してさらなる上級資格を受験しようと思ったがまだ実現していない。