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 伊豆大島のハマフエフキ釣り

 秋になって城ヶ島の石鯛がなかなか釣れなくなると、管理人は強烈な当たりが見たくなって時々伊豆大島にハマフエフキを狙いに行くことがあります。ハマフエフキの当たりは前当たりがあるかないかの後にいきなり竿を引ったくっていくような強烈な走りをするのが典型的です。石鯛のように三段引きを待ってそれから竿を掴むというような悠長なことはやっていられません。

 この一瞬で竿を持っていくような当たりに対処するため、リールのラチェット(鳴きバネ)をONにしてスプールをフリーにしておき、尻手ロープを竿に繋いでおきます。夜の帳の降りた静寂の中、ハマフエフキが食いつくとリールの鳴きバネが「ギーッ」と勢い良く鳴り出しますのでその時に体制を整えてスプールをロックしてやりとりを始めます。針に掛かったハマフエフキは右に左に大暴れしますので力でねじ伏せなくてはなりません。この強烈な当たりから綱引きをするようなやりとりまでの一連の戦いがハマフエフキ釣りの魅力です。

 釣れるハマフエフキのサイズは2,3kgクラスが主体ですが4kg、5kg、6kgといった魚も掛かってくるので油断できません。バラした中にはそれ以上の魚もいるのではと思っています。知人の中には30号の糸を切られたという人もいます。ダイバーの話では1mを超える大物がいるという話です。

 ハマフエフキは数匹の群れて行動するのか、仲間と2,3人で竿を出していて一人にハマフエフキが掛かると次々に他の人にも当たりが来ることがあります。その時は磯の上は大騒ぎとなってしまいます。大体、群れが周期的に来ることが多く、あるときPM11時頃までに3人で2kgクラスから6kgまでを10枚釣ったことがあります。続ければもっと釣れたと思いますが皆へとへとになってしまいその日はもうウンザリという感じでした。

 この釣りの外道にはアナゴ、ウツボ、ネコザメ、サカタザメ、サメ、エイなどがいます。サメは5kgから10kgのものが多く、日によってはハマフエフキが釣れずにこのクラスのサメが入れ食いしてしまいへとへとになってしまうことがあります。外道か本命かは当たりのラチェット音ですぐ分かります。ハマフエフキの場合は走り出すスピードが速く止まりませんので甲高いラチェット音が鳴り続けます。一方、外道が掛かると走りが遅かったり止まったりします。


 ハマフエフキを専門に狙うには夜釣りに分がありますので管理人は昼間は石鯛釣りをして時間を過ごします。夕暮れ時にポイントに入って仕掛けをセットしますが最初に来る当たりに大物が食ってくることが多く油断してバラしてしまった苦い経験があります。 

 こんな出来事がありました。伊豆大島に渡ったある土曜日の夕方、いつものように竿をセットして、まだ明るかったので当たりは来ないだろうと釣友とおしゃべりしているとき、いきなり竿が「グンッ」と曲がりました。反射的に竿を掴もうとしたのですが掴む前に竿がピトンから外れ、そのまま海に向かって前方の磯の上をガラガラと一直線に引きずられていきました。ピトンはその時の反動で後ろの方に飛んでいってしまいました(後で回収できました)。その時は何が起こったのか分からず、呆然と竿が引きずられていく音を聞いていました。

 いつもでしたらリールのラチェットをONにしてスプールフリーにしておき、尻手ロープを竿に繋いでおくのですが、明るいうちの一投目ということで油断して石鯛釣りのようにセットしていました。前にせり出しているハエ根にスレたのか運良く道糸が切れて竿は前方の磯の上に横たわっていましたので回収できましたが、竿もリールも傷だらけでガイドも曲がっており、何よりも石突きが折れてしまっていました。これが竿がピトンから外れた原因でした。

 ハマフエフキの当たりはいきなりやってきますので油断できません。ある時、当たりが途絶えていたので携帯電話で釣友とメールのやり取りをしている時でした。いきなり「ギーッ」とラチェットが鳴り始めました。その甲高い音が長く続くことからいつも釣っているサイズよりもスピード感やパワーが感じられましたので大物と推測されました。30m以上一気に走っていった感じでした。

 あわてて竿に駆け寄り、リールのスプールをロックONにした途端、竿を伸されて道糸と一直線になってしまいました。そのまま竿を立てることができずしばらく綱引き状態で絶えていましたが、そのうち道糸が切れて「フッ」と軽くなってしまいました。想像を越えた大物がまだまだいると感じました。

 20枚以上の魚体を見て感じたのですがハマフエフキは固体差が石鯛に比べて大きいような気がしました。細長い魚や体高のある魚、尾ひれの長い魚、短い魚、肉厚の魚や薄っぺらい魚と極端です。いつも同じ時期に釣りをしているので季節的な違いではありませんし、同じ日に釣れた魚でもかなり体型に違いがある場合があります。


 
ジナエでの60cm、4.5kg この時は前夜に3人で6kgを筆頭に10枚釣り上げ総重量30kgを楽に越える爆釣となってしまった。入れ食いに疲れてしまって途中竿を出すのを止めてしまったくらいである。


                   野田浜での72cm、5.1kg


案内

交通 東海汽船セブンイアランド夢(ジェット)にて神奈川県横須賀市久里浜港から出発。 現地にてレンタカーを借りて移動。マツダレンタカー ニッポンレンタカー
行き AM9:00(横須賀市久里浜港) → AM10:00(伊豆大島元町港)
現地 AM10:30〜PM16:00(石鯛釣り)、PM16:00〜眠くなるまで(ハマフエフキ釣り) 翌日:朝〜12:00(石鯛釣り)
帰り PM14:15(元町港)→PM15:15(久里浜港)解散
石鯛釣り用:サザエ、ヤドカリ、etc
ハマフエフキ釣り用:15〜20cmの小アジ(パックで安売りしているやつが2,3パックもあれば十分)、サンマ、イカ等


費用
交通費:船代往復 約¥12,000
    レンタカー代(軽バン) 24h:¥6,000〜7,000、27h:¥12,000〜13,000 + ガソリン代:約¥1,000(離島なので通常の1.5倍ほどします。)
    駐車場代:久里浜花の国の駐車場に停める(1日¥600なので2日で¥1,200)
その他:飲み物食事代


注意事項
船はジェット船なので荷物の制限あり。
経験上、リュック1つ(大きめOK)と竿ケース一本、大型のクーラー(もしくは発砲)までは余分に払わなくていい。
余分に荷物があると一個¥1,000払わなくてはならない

仕掛け
そんなに遠投しません50〜70m投げられれば十分です。

竿 石鯛竿
リール 石鯛用リール
ピトン 石鯛用
道糸 16号〜 ※昼間の石鯛釣りと兼用しているため16号の使用がメインだが大物狙いでもっと太い道糸を使用してもよい。
ハリス 20号〜24号 ※鋭い歯はなく噛み切られることはないので食い込みを重視してナイロンハリスを使用している。
35、40号程度
ケミホタル 投げ釣り用の竿先にパチンとはめるタイプ。サイズMが石鯛竿の穂先径に適している。
仕掛例 竿側から、道糸(16号)→全誘導:吉恵産業の石鯛遠投天秤と錘(40号)→ゴム管(1cm:結び目保護のため)→サルカン(1号)→ハリス(20号:70cm〜1m)→針:むつ針(石鯛タマミ17、18号程度の大きさ:ちもとをケプラーノットで補強するとよい)

ポイント
砂地に根が点在している潮通しのよい磯や防波堤などで水深が3,4mの浅場でも可能