展望台下の磯に行ってみると先客の釣り人は誰もいなかった。釣り場が選び放題だったのでまずは表磯に行ってみたが南西風が3,4mといった感じで吹いていた。どうしようか悩んだ末、遠投できそうもないので満足した釣りができないと思い、安房崎灯台の磯に移動した。
安房崎の磯に行ってみると潮がかなり低い。「離れに渡れそうだな」と判断してやや潮が高かったが離れに渡ってみた。
離れの磯に上り、釣りの準備をしようとしたら、やはり南西風が強めでしぶきが打ちあがり何度か降りかかった。「気持ちよく釣りがしたいな」と思い離れの磯も後にした。
迷いに迷ったあげく、潮見の磯に行くことにした。釣り場に着いて海を眺めると、薄暗い中、磯際から20mほどのところに丸い物体がかすかに見えた。「ちくしょう網が入っているじゃないか!」また移動しようかという考えがもたげてきたが、すぐに漁師がやってきて網を引き上げそうな気配があったのでここでやってみようと決めた(実際はいつでも移動できるよう竿は一本だけ出してみようと思っていた)。
夜が明けてきたので漁師が網の回収をしている間、網が張られていない右寄りに30mほどに投げ込んでおいた。
10分ほどすると竿先がつんつん動き始めた。「餌取りが出てきたな!」と思い見ていると時々「グイッ」と入りそうな動きをするが戻ってしまう。20分ほど見ていたが同じような動きを繰り返すだけである。餌取りが突いているだけだと餌はすでになくなっているはずなのに20分経ってもつんつんしているので「ウツボが掛かっているな!」と思い仕掛けを回収することにした。
竿を掴んでリールを巻き始めると何か付いている重量感はあるが引きは感じられない。巻き続けると少し潜って行くような動きが感じられるが横走りしないのでウツボだろうと思い巻き続けた。足元まで巻いてきた所で小型の石鯛が浮いて初めて石鯛が掛かっているのに気づき慌てた。小型だったので針掛かりもよく確認せず雑に抜き上げると、磯の上で魚が暴れたとき針が外れてひやっとした。メスで卵は持っていたが薄っぺらで42cm、1.4kgしかなかった。
一匹目を釣った直後、直ぐに右流れの速い潮になるとともに餌取りがほとんどなくなってしまった。干潮は6時前だったが右流れの潮は7時過ぎまで続いた。この間ほとんど餌取りがなく、まったりとした時間だけが過ぎていった。
潮の流れが緩くなってくると、久しぶりにパタパタと竿先が動いた。「おおっ!もしかしたら入るかも」と思った直後、竿が50cmほど入った。「もっと入れ!走れ!引っぱって行け!」と念じたが曲がったまま動かない。「食っていると思うがな?」としばらく待っていたが変化がないので上げてみることにした。
竿を掴んで煽ってみると根掛りしている状態だった。軽く何度か煽ってみるが出てくる気配がない。少しテンションを緩めて待っていると魚が泳いでいるような動きが感じられた。「出たな!」と判断して竿を大きくあおると竿先がジワーっと起きてくる。「よし!巻けるぞ!」とリールを巻き始めた。一匹目よりは重量感があったのでやや一匹目より大きいぞと思い魚を引寄せ始めた。動きは感じられるがあまり引かない。しかし、手前10mほどの根際まで引寄せたところ、やたら暴れ出しなかなか引寄せられなくなった。
竿のタメを利用して、引きに耐えて何とか引寄せ、足元の磯際に引き上げて瀬ズレを掴んで磯の上に上げた。二枚目は厚みがあり、48cm、2.2kgだった。
一枚目42cm、1.4kg
二枚目48cm、2.2kg