59cm、4.4kg
 今日はベタ凪で潮も濁って動かない。餌取りもほとんどなく朝一の当たりもなく時間はどんどん過ぎていった。「今日もだめか...」とあきらめかけていたAM6:10分、右に遠投していた竿の穂先がわずかにもぞもぞっと細かい餌取りが触っているような動きをしていた。「もっとガツガツと当たってくれ!」と念じたが時々モゾモゾとするだけであった。「餌取りしかいないのか!」と期待が薄くなり、朝飯でも食べようとランチパックの袋を破いたところでもう一度当たりのあった竿を見てみると50cmほどお辞儀をしていた。「何だ?何か小さいのが付いているのか?」と見ていると、一気に竿がへし曲がっていき、横に向けていた竿のピトンが支えきれなくてぐるりと回ってしまった。それでも走りは止まらず竿を持っていきそうな勢いで海に向かって突っ込んでいく。食べようとしていたランチパックを慌てて地面に置き、竿を掴んで立てようとしたが半分ほど持ち上がったまま立てきれず突っ込みに耐えているのが精一杯だった。しばらく耐えていると、引きが弱まったので竿を立てて巻き取りにかかるがかなり重い。スムーズにリールが巻けない。そうこうしているうちに主導権を取られたのか5mほど巻いたところで動かなくなった。竿を大きくあおってみるが竿先が起きて来る気配はない。竿を手持ちにしたまま少しテンションを緩めてみるが全く動かない。「また張り付かれてしまった。今のはでかかったな。」とガッカリしながら竿を竿受けに置きしばらくまってみることにした。しばらくして、チョンチョンと竿先が動いたので竿を持ちあおってみるがやはり動かない。もう一度竿掛けに置きしばらく待った。すると今度はチョンッと動いたあとスーッと走り出すように竿先が海面に向かって突っ込んでいった。「よし!出たぞ!」と竿を掴み取り、大きくあおるとかなりゆっくりであるがジワーっと竿先が起きてきた。思いっきり体を反らせて竿を目一杯起こし早く底を切ろうとして慌ててリールを巻き取りに掛かったがテンションがきつく簡単には巻けず三角巻きになってしまっていた。「これは大きいぞ」と確信し、時々締めこむ強引に竿を伸され気味になりながらも耐えて70m沖から必死で魚を寄せてきた。その間何度もの左右への走りや、締め込みに耐え、ほんの数分間だったと思うが竿を支えながらリールをゴリ巻きにしてなかなか寄ってこない魚に翻弄されて持久力も尽きへとへとになりながらも何とか足元まで寄せることができそこでも何度かの締め込みに耐えて波に乗せて磯に引き上げることができた。釣り上げたとき3kgは楽にあるなとは思ったが、4kgさえ楽に越えているとは驚きであった。このサイズに似合った迫力のある顔をしていた。

おしい!もう少しで60cmに届かず。


腹も出ていないのに、見た目よりずっしりと重い。顔は迫力のある年を重ねた感じの顔つきだった。


普段餌入れに使っている10リットルバケツでは体半分しか入りません。