気づくと東南の風で右に曲がっていた穂先がさらに曲がっていた。「これは風や潮の影響じゃないぞ!」と感じ見ていると「ぐいっぐいっ」と入りそうになるが戻ってしまう。しばらく見ているが同じ動きを繰り返すだけ。竿を手持ちにして見るが走る様子もない。でも竿先は魚が付いているような動きを繰り返すので思い切って竿をあおってみるとかすかに何か付いているような感じがある。しかしリールを巻いていると仕掛けを巻いているだけのようで何も重量感がない。「あー外れたか!」と思いながら仕掛けを回収するつもりでゆっくりと巻いている途中で海草に引っかかるような感じで時々重くなったりする。「ん?まだ付いているのか?」半信半疑である。ほとんど重量が感じられない状態で近くまで巻いてくると右に鋭く走るようにグイっと引っ張られるがそれ以外は重量感が全くといっていいほどない。「何だろう?」と足元まで寄せて来ると小型の石鯛が付いていた。針掛かりを確認してひょいっと抜き上げた。ちっちゃい!