人生初イシダイ! 48cm、2.0kg
この年に石鯛釣りを始めて釣行7回目。この日もいつものように城ヶ島へ釣りに向かったが、いつも餌を買っていた釣具屋に餌がなく仕方なく通りがけの別の釣具屋でイワイソメを買った。結局最後に訪ねた店でヤドカリを買うことができたのだがこの時イワイソメを買ったことが吉になろとは予
想もしなかった。
いつものように城ヶ島の東側のポイントへ向かった。磯に着くとまだまだ暗くて良く分からなかったがオネガマには知人夫婦が見え、東にも誰か入っているようだった。
そこでオネガマの右横の磯に入って準備しようとしていたところ「こっちでやれよ!」とオネガマの右の磯を譲ってくれた(吉ポイントA)。
ありがたくお勧めを受け入れて移動することにした。
潮はベタ凪でどこにも流れていない。私はこんな潮は好きなのだが石鯛釣りにはあんまり良くないらしい。天気も良くて日が昇ってくるとぽかぽか陽気になっ
た。3年がかりで石鯛を釣ろうとのんびり構えていた私はいつも仕掛けを投げ入れると周りのタイドプールで磯遊びをしていた。
最初、ヤドカリを付けて投げ入れていたのだが、餌取りもあまりないし、せっかく買ったのでイワイソメも使うことにした。
城ヶ島のほとんどがそうなのだが、オネガマもまた磯際が水深4〜5mしかなく一般には70〜80mの遠投をして石鯛を釣るポイントであるらしい。しかし、イワイソメは柔らかいので思いっきり投げることができずひょいっと投げ、正面右よりの35m付近にポチャンと落ちた(吉ポイントB)。そしていつものように磯遊びに行ってしまった。
AM6:30、しばらくして竿のところに戻ってみたが竿にはなんの変化も見られない。少し道糸が張っている気がしたが...、そろそろ投げ返そうかと竿をあおってみると。プルプルッと魚信が....
ん?何か魚が掛かってるぞ!カサゴかな?としか思わず魚の重みを楽しむつもりでゆっくりとリールを巻いてみる。
リールを巻くにつれ道糸が左に流れていく感じがした。あれ?仕掛けがかぶっているのかな?と左側の知人の竿を見るが2本出ている糸は両方とも私の道糸のはるか上を張っている。?????
魚が泳いで引いているのか?だとしたらかなりのサイズだぞ!
左には根がある!そこへ潜り込もうとしているんだと気づき大慌てで道糸を巻き取りにかかった。巻けば巻くほど魚の引きも強くなってきた。
魚を強引に寄せようとする。が、竿がやわらか過ぎる。右後ろに反るような感じで竿を立てるがクロダイ竿のようにUの字に曲がってしまい魚はなかなか寄ってこない。この魚は一体なんだろう?正体見たさに必死でリールを巻き続けた。この時まではまさかその魚が石鯛だとは夢にも思っていなかった。
なんとか足元まで引き寄せて水面に魚体が浮かんできたとき、白黒の縞々の魚体が見えた。
「石鯛だ!」と認識した瞬間パニクってしまい頭の中には「一刻も早くこの魚を陸に上げなければばらしてしまう」という考えだけになってしまった。「もっと巻いて!」と言う声が聞こえたが、道糸を巻き取る余裕もなく魚を見た途端、思いっきり竿をあおって魚を抜きにかかった。運良く魚は持ち上がってくれ磯の
上にきれいな縞の魚体がはねた。
その後、東の磯にいた釣り人が見にきて「よくそんな仕掛けや餌で釣れたな。3kgあったら上がらんかったぞ。」と冷やかされた。
中学の時から釣りを始めて18年。釣りの本で見てずっと憧れていた石鯛釣りを始めてわずか6,7回で幻と言われていた石鯛を釣り上げてしまって有頂天の
私であった。この時が釣り上げられた石鯛を初めて見た瞬間でもあり、それを釣ったのが自分自身であったので正に幸せであった。